聖徳太子2.0 の仕組み
「ブロードリスニング」を実装するために、Pol.is の数理アルゴリズムと Social9 上の組織・グループ運用を組み合わせています。
ステップ 1:意見の収集
運営者が「お題」を立て、最初の意見(シード)を 15〜40 件用意します。シードは「賛否が分かれそうな短い一文」が望ましく、運営者が手書きで用意します。
参加者は、表示された意見に 賛成・反対・保留 の三択で答えます。テキスト分析は行わず、投票パターンだけを見るのが Pol.is 流の特徴です。
ステップ 2:意見地図の生成
すべての投票から「意見行列」(参加者 × 意見)を作り、AI が次の処理を行います。
- PCA(主成分分析):行列を 2 次元に投影し、最も意見が割れている軸を発見します。
- K-means クラスタリング:投票が似た参加者をグループ化(2〜5 グループ、silhouette 係数で最適化)。
- 意見地図:参加者を 2D 空間にプロットし、誰がどのグループに近いかを可視化します。
これにより、一見複雑な数百人の意見が、数個の意見グループとその関係性として理解できるようになります。
ステップ 3:合意度(Group-Aware Consensus)の計算
聖徳太子2.0 の核心は、単純な多数決ではなく、すべてのグループが頷ける意見 を見つけることです。Pol.is と同じ数式を使います。
各意見 c について、グループ g における賛成率を P_v=a(g, c) としたとき:
C(c) = ∏ P_v=a(g, c) ^ (1/n)
g
すべてのグループが同意するほど高くなり、対立する意見はゼロに近づきます。これにより、対立を煽る発言が下位に沈み、橋渡しの一文が上位に浮上します。
ステップ 5:合意点と対立点の可視化
お題が一定期間続くと、「合意意見ランキング(80% 以上が賛成)」と「対立意見ランキング(グループ間で意見が分かれる)」が自動生成されます。
合意意見は、次の対面ワークショップや政策議論のアジェンダになります。対立点は明示することで、議論すべき真の論点として浮上します。
多数派攻撃への防御
同質な集団の大量参加で結果が歪まないよう、以下を組み合わせています。
- 認証必須(匿名禁止:Social9 アカウントまたはメール認証)
- レート制限(短時間の連投・大量投票をブロック)
- 時間窓 PCA(直近の投票だけで分布の急変動を検知)
- 新規投票の重み調整(偏った参加が来た時に暫定的に下げる)
- Strict モデレーション(重複・人格攻撃・複数論点の意見を整理)
世界の事例:vTaiwan の Uber 問題
2015 年、台湾で Uber 参入時、Pol.is で 4 週間意見を集めた結果、当初「Uber は犯罪」「役所が古い」と激しく対立していた 4 グループが 2 グループに統合され、最終的に「中古業者の 2 段階レーティング義務化」が 95% 全員合意 に達しました。後日、これが法改正に反映されました。
聖徳太子2.0 は、この vTaiwan の経験を、行政だけでなく企業・コミュニティの誰もが使える形で実装することを目指しています。